第4回「敏感すぎる子」と「鈍感すぎる子」
2025/04/20
飼い主はソコが知りたいシリーズ
4回「敏感すぎる子」と「鈍感すぎる子」
〜反応がある=悪いこと?反応が鈍い=安心?
その意外な落とし穴〜
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「この子、すごく敏感で…」
「うちの子は鈍感で、痛みも感じにくいみたいです」
そんなふうに、犬猫の体質や気質について相談されることがあります。
でも実はこの“敏感”と“鈍感”のどちらにも、
それぞれ見落としがちな落とし穴があると、
私は捉えているのです。
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■ 「敏感=悪い」ではなく、「察知できるセンサーがある」ということ
敏感な子は、少しの変化にすぐ反応するため、
「病気がち」「神経質」と思われがちですが、
言い換えるなら、
不調のサインに早く気づける感度が高いという見方もできるのでは?
たとえば——
・侵入者が入ると、けたたましく鳴る防犯ブザー
・小さな煙でもキャッチして鳴る火災報知器
これって、鈍感で鳴らないものより優秀っちゃ優秀ですよね(笑)
生き物のカラダに例えると
• 食べ物の変化にすぐお腹を壊す
• 湿度や寒暖差にすぐに皮膚トラブルが出る
• 他の犬猫や人の雰囲気に過敏に反応する
こうした子たちは、“察知力”のアンテナが高い子とも言えるのでは?
早く反応してくれるからこそ、ケアも早くできる可能性があります😊
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■ 「鈍感=安心」とは限らない
一方、鈍感な子は手がかからないように見える反面、
サインが表に出にくく、見逃されがちになることも…。
たとえば——
• 足をケガしていても普通に歩いてしまう
• 食欲は落ちないのに、実は内臓の負担が進行している
• 皮膚の痒みや痛みにも我慢して表に出さない
実際に、「気づいたときにはかなり進行していた」と、いうご相談も少なくありません。
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■ センサーの強さ=体のバランスを測る“ヒント”
敏感・鈍感というのは、単なる性格ではなく、
〝その子の“体のセンサー感度〟にも関係していると私は考え、
• センサーが敏感な子は、内外の刺激や不調に早く反応する分、負担をかけすぎない生活が必要
• センサーが鈍い子は、不調に気づきにくいため、日頃から“変化の兆し”に意識を向けることが大切
どちらが良い・悪いではなく、
その子の反応パターンを知ることが、適切なケアの第一歩。
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■ 飼い主にできることは?
・「過敏だから仕方ない」「鈍感だから平気」と決めつけない
・症状の“強さ”より、“出るまでの速さ・タイミング”にも注目する
・季節や環境、食事との関係を一緒に観察していく
・“反応のある子”を責めない。“反応のない子”を過信しない
体の声をどう受け取るかは、まさに飼い主さんの“観察力”にかかってきます。
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■ 次回予告
次回は、「血液検査で『異常なし』=安心なのか?」
検査結果には出にくい“体のゆらぎ”や、
「基準値内=健康とは限らない?」という、気になる視点を掘り下げてみたいと思います。
第3回~1回まではこちらから↓↓