【第5回】血液検査で「基準値内」=安心なのか?
2025/04/20
飼い主はソコが知りたいシリーズ
blogバージョン
【第5回】
血液検査で「基準値内」=安心なのか?
〜数値には出ない“体のゆらぎ”を見逃さない視点〜
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「毎年、血液検査してます」
「結果は“異常なし”って書かれてました」
「ほとんど基準値内でした!」
「年相応でこんなものですよ」
これを聞いて「よかったですね」と、返すことは簡単ですが、
私はいつも、少しだけ違う視点で見てしまいます。
“本当に異常がなかったのか?”
“検査では拾いきれない変化がなかったか?”
ということ・・・
我が家も1年に1〜2回、動物病院で血液検査もお願いしていますが
まずは最低ラインは血液検査などですし
私にとって血液検査は安心の1つであることは確かです。
しかし我が家の大切な先代犬の経験から・・・
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■ 数値は「今」の状態の、ほんの一部を切り取ったもの
血液検査は確かに便利で、貴重な情報をくれます。
でもそれは、**その瞬間の“ある一面”**と、私は捉えています。
たとえば…
・検査当日は体調が落ち着いていても
その数日前に大きな揺らぎがあったかもしれない
・実は長期的にじわじわ悪化しているけれど、
まだ数値には出ていない
こんなことも、現実にはよくあると、耳にします。
我が家の先代犬たちも「今まで検査で問題なかったのに!」
そんな経験があります。
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■ 「基準値内だから健康」は、本当に正しい?
血液検査には“基準値”が設けられています。
でもその**基準値はあくまで「平均の目安」**であって、
その子の「ベストな数値」ではないこともあります。
たとえば、以前は40台だった肝臓の数値が、
今はギリギリ基準値内の98になったとしたら。
それは「正常」でしょうか?
それとも、「じわじわ悪化しているサイン」でしょうか?
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■ 「数値に出る前に気づけるか」が、予防の鍵
病気の多くは
ある日突然、数字に現れるわけではありません。
少しずつ、見えないレベルで進行し、あるタイミングでやっと数字に出てきます。
でも実はその前に…
お散歩も行くし、ゴハンも食べるけど
・そういえば
体臭や口臭や息が前よりキツくなった
・そういえば
歯茎から血が出ることが増えた
・そういえば
前より毛ヅヤが悪くなった、毛量が減った
・そういえば
前より目の周りや口周り、手先足先、肛門や
陰部周りの毛焼けが目立つ
・そういえば
歯茎や舌の色が健康的なピンクではなくなった
・そういえば
手先足先が前より冷たく感じる
・そういえば
年をとったらそんなもんと、思っていたけど寝ている時間が増えた
・そういえば
鼻や肉球が乾燥してひび割れっぽいことが多い
・そういえば
便が太くて1本!って感じじゃなくなった
・そういえば
etc
そんな**“数値には出ないサイン”**が現れていることが、
私が見てきた子たちでは、ほとんどでした。
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■ 「検査結果がすべて」ではなく「日々の気づき」が一番の予防
もちろん、検査は有効です。
でも、それだけを信じきってしまうと
本来ならもっと早く気づけた“未病のサイン”を見逃してしまう
ことが、あったなら私は後悔が大きいのです(^◇^;)
病気の“直前”ではなく、“だいぶ前”から、
「ん? なんかおかしいかも」と
飼い主さんが気づける目を持つこと。
飼い主さんの一番の力です。
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【次回予告|第6回】
「毎日の“ケア”は、意味があるのか?
→ 健康そうでも、日々の的を射たサポートで未来は変えられる?」
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